瞳
4年前に、ネパールを旅した。
その第一の目的は、コーヒーの栽培される環境を、視察することだった。
首都、カトマンズから車に揺られ数時間すぎたところで、休憩となった時、地方に向かうバスの中で、輝くように外を見渡している少女の瞳に出会った。
その純粋な、そして透明な少女の瞳が、私の記憶として新鮮に今でも思い出される。
寿司づめとなったバスの中で揺られながら、少女にとっては新鮮な街が、写っているのであろう。
キラキラと、輝いた目であたりの風景を見渡している。
文明は、私たちに恩恵を多々与えてくれているが、何か置き去りとした大切なものもあるのだと、少女を見ながら私は思った。
2016年9月の、旅だった。